定義崩し
相手の定義そのものを崩すスキル
レスバトルでは、相手が先に言葉の意味を決めてくることがあります。
たとえば、
本当の努力とは、結果が出るまで諦めないことです。
と言われた場合、その定義をそのまま受け入れると、
「結果が出なかった人は努力していない」
という相手に有利な流れになってしまいます。
定義崩しは、相手が置いた定義に問題があることを指摘し、その定義では議論できないと崩すスキルです。
このスキルで見るポイント
このスキルでは、相手の定義に対して、
定義が狭すぎないか
定義が広すぎないか
相手に都合よく作られていないか
現実の使われ方とズレていないか
その定義を採用するとおかしな結論にならないか
を指摘できているかが見られます。
ただ「その定義は違う」と言うだけでは弱いです。
なぜその定義では問題があるのかを説明する必要があります。
使いどころ
相手が自分に有利な定義を出してきた時に使います。
たとえば相手が、
自由とは、誰にも制限されずに好きなことをすることです。
と言ってきた場合、その定義を受け入れると、あらゆるルールが自由の敵になってしまいます。
そこで、
その定義だと、他人に迷惑をかける行動まで自由に含まれてしまいます。
でも一般的には、自由は他人の権利を侵害しない範囲で認められるものです。
だから「制限がある=自由ではない」という定義は広すぎると思います。
のように、定義の問題点を崩します。
発言例
相手がこう言ったとします。
成功とは、お金をたくさん稼ぐことです。だから稼げない人は成功していません。
この場合は、次のように返すと認定されやすくなります。
その定義は成功をお金だけに限定しすぎています。
実際には、仕事のやりがい、家族との時間、健康、社会への貢献などを成功と考える人もいます。
だから「成功=高収入」と定義してしまうと、多様な価値観を無視した結論になります。
この発言では、
相手の定義
成功=お金をたくさん稼ぐこと。
定義の問題点
成功をお金だけに限定している。
崩した理由
成功には複数の価値基準がある。
が示されています。
認定されやすいコツ
定義崩しでは、相手の定義をそのまま引用してから、問題点を指摘するとわかりやすくなります。
おすすめの形はこれです。
相手は〇〇を△△と定義しています。
しかし、その定義だと□□という問題があります。
だから、その定義を前提にした結論は成り立ちません。
または、
その定義は狭すぎます。
なぜなら、〇〇のようなケースが含まれなくなるからです。
この形にすると、どの定義を崩しているのかがはっきりします。
定義崩しは、先に定義された時の逆転手段
本来は、自分に不利な定義をされる前に、先に定義しておく方が安全です。
一度相手の定義が議論の土台になってしまうと、あとから崩すのは難しくなります。
それでも、相手の定義が明らかに偏っていたり、現実に合っていなかったりする場合は、定義崩しで流れを変えられます。
定義崩しは、相手に作られた土俵を壊すための高難度スキルです。
認定されにくい例
次のような発言は、定義崩しとして認定されにくくなります。
その定義は違う。
これだけでは、なぜ違うのかがわかりません。
俺はそう思わない。
自分の感想だけでは、相手の定義の問題点を崩せていません。
普通は違うでしょ。
「普通」が何を指すのか説明できていないため、反論として弱くなります。
定義崩しでは、
相手の定義を否定する理由
まで説明することが大切です。
うまく決まると強い
定義崩しは難しいスキルですが、うまく決まるとかなり強力です。
相手の定義が崩れると、その定義を前提にした主張も一緒に弱くなります。
つまり、相手の結論を直接攻撃するのではなく、
結論を支えている土台そのものを崩す
ことができます。
相手が言葉の意味を都合よく決めてきた時は、
「その定義で本当に成り立つのか?」
を考えてみましょう。
